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インシデント管理とは?基本情報処理の午前対策

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基本情報処理技術者試験から不定期に1題出題、解説いたします。

試験を受けない人にとっても役に立つ解説を心掛けていきます。

 

本日の問題は平成29年春の午前問題からです。

問題

午前問57
ITサービスマネジメントの活動のうち,インシデント管理及びサービス要求管理として行うものはどれか。

  1. サービスデスクに対する顧客満足度が合意したサービス目標を満たしているかどうかを評価し,改善の機会を特定するためにレビューする。
  2. ディスクの空き容量がしきい値に近づいたので,対策を検討する。
  3. プログラム変更を行った場合の影響度を調査する。
  4. 利用者からの障害報告を受けて,既知の誤りに該当するかどうかを照合する。

基本情報技術者 平成29年春期試験から抜粋

 

 

 

正解は

4が正解

インシデントとは?

インシデントとは、ユーザーのミスまたはシステムの不具合により発生した事件全般を指します。

 

「システムを利用している利用者がやりたいと思ったことがやれない状態」

「このまま放っておいたら今後もっと大きい事故に繋がる可能性がある状態」

という事故全般をインシデントになります。

 

似た言葉として「アクシデント」という言葉があります。
アクシデントとは 不意の出来事や思わぬ故障・事故の事です。

 

インシデント管理とは?

インシデントで起きた事を管理・分析し対応を行う事で、ビジネスへの影響を最小限に抑え、迅速にITサービス/ITシステムを復旧することを目的とした、ITサービスマネジメントのプロセスのことをいいます。

 

 

対応は以下のようなフローで行われます。

 

1. 受付と記録の実施

顧客からの問い合わせの全ての記録を行います。

 

2. 分類と優先度付けの実施

「誰が対応すべきか」

「どのように対応すべきか」

「どれだけ急いで対応すべきか」

「すぐに解決できそうな問題か」

対応に必要な基礎情報(内容・優先度・対応期限・担当者)を特定します。

また、

「インシデントの種類(障害回復要求/サービス要求、情報照会)」

「障害がもたらす影響の対象と範囲」

などに基づいて、インシデントの分類を行います。

 

問題文にある

利用者からの障害報告を受けて,既知の誤りに該当するかどうかを照合する。

というのが、このステップに当たります。

 

3.ファーストヘルプラインによる解決

分類結果に基づき、
「対応が容易なもの」

「過去に問い合わせがるもの」

などについては、ナレッジベースなどを活用しつつ、ファーストヘルプラインによる解決を試みます。

 

4. エスカレーションによる解決

「ファーストヘルプラインにより解決できなかったインシデント」
「あらかじめ定めた基準を超える内容のもの」

については、サービスレベルアグリーメント(SLA)(※1)の制約の範囲内で、適切にエスカレーション(※2)し、調査し、解決を図ります。

 

※1 サービス・レベル・アグリーメント:利用部門などに対して提供するITサービスの内容やレベルを保証する契約のこと

※2 エスカレーション:より詳細かつ正確な調査・判断ができるスペシャリストへ依頼する

 

5. インシデントの追跡とライフサイクル管理

インシデントの担当者は、報告を受けたインシデントがクローズされるまでの間

「インシデントの報告を受けてからの経過期間」

「現在の調査状況」

「顧客へのアップデート状況」

「次回の進捗報告のタイミング」

「解決が長引いている場合のエスカレーションの必要性」

などについて管理を行います。

 

6. クローズ

インシデントが解決された時点で、顧客ならびに関係者に速やかな報告を行います。
また、解決に至るまでの活動は記録し、過去事例として活用できるようにナレッジ・ベース(※)に登録します。

 

※ ナレッジ・ベース:人間の「知識」をコンピュータ上に溜めこんだデータベース

 

その他の選択肢について

1はサービスレベル管理

 

2はキャパシティ管理の役割です

 

3は変更管理の役割です

 

今回の問題のキーポイント

インシデントの定義をしっかりと覚えておけば他の選択肢との違いが見えてきます。

 

インシデントとは、がやりたい事が出来ない状態

インシデント管理とは、やりたい事を迅速に出来るようにする活動

 

1~3に関しては、ユーザーがやりたい事を出来ないわけではありませんが、4はユーザーからの障害報告を受けてという言葉がありますので、しっかりと抑えておきましょう。

 

 

まとめ

今日の問題はいかがでしょうか。

今回は、インシデント管理について解説させていただきました。

実際の試験では、じっくりと考えている時間はありません。

ポイントとなるキーワードを見つけ、ピンポイントで正答を判断しましょう。

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